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今っぽくポップにアップデートされた変態バンド、ニガミ17才を聴かない手はない

Sleepy head(@SleepyHead_blog)が今ぜひ押さえておいていただきたいアーティストを紹介するシリーズ、Music Heads第10回。

あなたは「ニガミ17才」というバンドを聞いたことがあるだろうか。

ヴィジュアル・名前からして「イロモノ」感が拭えない。もう僕も好奇心旺盛な10代ではないので、奇をてらっただけのバンドは避けがちである。奇抜さだけで勝負しようとも先は見えている。

しかしこのニガミ17才、確かにイロモノなのだがめちゃくちゃかっこいい。

おそらく2018年ブレイクするバンド候補に挙げられてもおかしくないダークホース的な存在と言える。そして僕は売れると思っている。しかも結構な規模感で。バンドの良さ、売れると思う理由などを書いていこうと思う。

ニガミ17才とは

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ニガミ17才は、元嘘つきバービーの岩下優介(Gt,Vo)を中心に結成され、メンバーは平沢あくび(Key)イザキタツル(Ba)小銭喜剛(Dr)のフォーピースバンド。

まずは最新リリースの「ただし、BGM」を聴いてみて欲しい。きっと体が踊りだすと思う。

日本の音楽シーンにそれなりに明るい人なら知っていると思うが、2013年に解散した嘘つきバービーのベースボーカルだった岩下優介が、ベースをギターに持ち替えてバンドを始めたのである。ちなみにドラムの小銭喜剛は元ミドリ。嘘つきバービーは「バビブベ以外人間」というキラーチューンを生み出したクレイジーなバンド。わけわからない「気持ち悪さ」と「クールさ」がある。最高だ。

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これらのバンドを知っている人なら、ニガミ17才の音楽についてなんとなく予想できると思う。

ぶっ飛んだリズムとサイケで、聴く人を選びまくる奇天烈な音楽なんじゃないかと。

しかし「ただし、BGM」などニガミ17才は奇天烈なイロモノであるけれど、絶妙なポップさでバランスを保っている。むしろ嘘つきバービーよりも、積極的にリスナーの幅を押し広げている印象すら受ける。

イロモノがポップにアップデートされた音楽

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ニガミ17才のどこがいいのか。それはイロモノでありながら、ポップにアップデートされた音楽であるという点だ。

まるでラップのように早口でまくしたてるし、「おいしい水」のMVでは芸人のデッカチャンが水を飲んでは吐き出す。ボーカルの岩下優介は奇妙な長髪であるし、動きもちょっと気持ち悪い。いわゆるイロモノな音楽だ。

でも、イロモノで終わらないのがニガミ17才。昨今のシティポップやヒップホップや、ダンスミュージックなどの今っぽいポップさを、嫌味なく取り入れている。

嘘つきバービーは素晴らしいカオスでかっこいいバンドだったが、どうしてもリスナーを選びがちな音楽だった。一方で、ニガミ17才では(おそらく)気持ちいいメロディーや聞き馴染みする曲作りを意識しているように思われる。

可愛いシンセ

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元・嘘つきバービー岩下が新バンド「ニガミ17才」結成 – 音楽ナタリーより引用

下世話な話ではあるが、シンセサイザーに可愛い女性メンバーが加入する、もしくは可愛いシンセサイザー担当を打ち出していくことでバンドは売れていく。

チェコノーリパブリックは、キーボードにタカハシマイが加入した後メジャーデビューが決定し知名度がグッと上がった記憶がある。

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Awsome City Clubもキーボード・ボーカルのPORINとドラムのユキエの存在感は、メジャーデビュー後の活躍には不可欠だっただろう。

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東京カランコロンは、メジャーデビュー後はキーボードのせんせいを前面に打ち出すことでバンドとしての市民権を得ていった。

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そしてこの例は、ニガミ17才にも当てはまる。キーボードの平沢あくびがめちゃくちゃ可愛い。以前は女優として活動しており、村上春樹原作の映画である「ノルウェイの森」にも出演していた。

何が言いたいかというと、バンドが作る素晴らしい音楽の知名度をブーストする装置が可愛いシンセサイザーなのである。もちろん、どのバンドも作る音楽が素晴らしいという前提がある。ニガミ17才の音楽ユニークなのに、ポップに響く。きっと幅広い音楽ファンがつくはずだ。「シンセサイザーの子が可愛いな、どれ一度聞いてみようか」と思わせさえすれば、そのクールな音楽のファンになってもらえる可能性が高い。

ブースト装置と最高の音楽を兼ね備えているニガミ17才はきっと売れるはずだ。

最後に

「売れる」からいいバンドとは限らないし、売れないから「ダサい」バンドとは限らない。もし己のスタイルを保ちつつクールでありながら、売れることができるならできるなら一番いい。ニガミ17才にはそんな可能性を感じている。

新しいアルバム「ニガミ17才b」は6月6日発売。公式HPでは予約も受け付けている。

サクヒン | ニガミ17才

 

2018年9月から10月にかけてワンマンライブも控えているので、ぜひ今のうちにイロモノポップミュージックをチェックしておいて欲しい。ライブを見にいくと本物のかっこよさをしれると思うので、僕は参加するはずだ。

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