執筆実績はこちらから

【PR】オフライン音声翻訳機ili(イリー)と行く、韓国音楽シーンを探る旅 中編

先日、オフライン音声翻訳機ili(イリー)と連れて「韓国音楽シーン」を探る旅に行ってきた。

こちらの記事は中編。もしまだ前編を読んでいない方はぜひ読んでからどうぞ!

【PR】オフライン音声翻訳機ili(イリー)と行く、韓国音楽シーンを探る旅 前編

中編は韓国のインディーカルチャーの中心地弘大(ホンデ)巡りの様子をお届けする。

インディーカルチャーのメッカ 弘大(ホンデ)へ!

改札から出れなくなるなどトラブルがありながらも、江南(カンナム)のゲストハウスに到着。ささっと荷物を整理して弘大(ホンデ)に向かう。江南から弘大まではだいたい20分ぐらい。電車を乗り継いですぐだ。

f:id:zawazawamn:20180627190149p:plain

事前に集めた情報によると弘大は「インディーカルチャーのメッカ」と言われているらしい。韓国一番の美術大学「弘益(ホンイッ)大学」が位置してるだけあって感度の高いエリアだ。おしゃれなブックストアや古着屋、レコードショップなどが集まっているスポット。下北沢や吉祥寺みたいな感じなのだろう。

弘大でやりたいこと

前編でも書いたけれど念のためおさらい。

僕がなぜ弘大に来たのか。目的は2つある。

①地元の人しか知らないレコード屋を巡る

レコード屋の店主は世界を飛び回る音楽シーンを知り尽くしたプロ。国内外の音楽に精通したツワモノが聴く音楽を聞きまわりたい。

②ライブハウス「空中キャンプ」でライブを見る

音楽の醍醐味といえば「生でアーティストのパフォーマンスを見る」こと。聴くだけならYouTubeでも事足りるわけだけど、その土地、その場所で音楽を感じたい。

弘大(ホンデ)に到着!

f:id:zawazawamn:20180628191000j:plain

弘大に到着。下北沢みたいなインディーでこじんまりした街、のイメージで来たけどメインストリートは人だらけ。結構大きな街で、ショッピング目的で来る若者も多い。

f:id:zawazawamn:20180628191301j:plain

f:id:zawazawamn:20180628191455j:plain

韓国で行われるフェスの広告や、単独来韓公演を行う予定の世界最強のラッパー、ケンドリックラマーのフラッグ広告が街中に見られた。

スタジオ帰りのギターを背負った少年もそこら中にいて、音楽カルチャーのアツさをヒシヒシと感じた。弘大に着くまで「どんな街だろう、実はそこまで音楽の街じゃなかったりして」と不安に思っていたが、ここで間違いなかったようだ。

早速1軒目 SETERECORDS(セテレコーズ)へ

まずは事前にネットで調べて気になっていたレコード屋からスタート。

駅前はまるで渋谷や新宿のようにショッピング客でごった返しているのだけど、1本裏通りを入ると一気に穏やかに。

洒落たカフェやブックストアが立ち並ぶ通りの雑居ビルの2階にSETERECORDS(セテレコーズ)がある。

f:id:zawazawamn:20180628192003j:plain

暗い階段を上るとドアが見える。一体どんな店と人が迎えてくれるのだろう。

f:id:zawazawamn:20180628192034j:plain

少し緊張しながら店内へ入って見る。ロックやファンク、クラシックまで多種多様なレコードで壁一面埋め尽くされていた。

f:id:zawazawamn:20180628192059j:plain

店内には常連らしきお客さんが店主と話し込んでいるよう。もう一人はレコードしか見えてないような若者がひらすら目当てのレコードを探している。

僕もDJっぽい若者と同じようにレコードを漁ってみた。どうやら韓国のアーティストよりもアメリカのアーティストが中心なようだ。韓国のアーティストを探していたのでちょっと残念な気持ちになったけれど、なんとなくBLACK SABBATH(ブラックサバス)のレコードを手に取ってみた。ボロボロだけど、このジャケットのデザインが好き。

f:id:zawazawamn:20180629123351j:plain

常連が切り上げるのを見計らい、「ili」を使って気難しそうな店主に話しかけて見る。

f:id:zawazawamn:20180628192359j:plain

「このレコードが欲しいです」

「ここで聞いて見ることはできますか?」

すると彼は案外明るく「Yes!」と返事をしてくれた。でも英語は話せない様子。

店主はBLACK SABBTHのレコードをターンテーブルに載せる。気難しそうな見た目をしていたが、「ili」を面白がってくれた。思ったよりも気軽にコミュニケーションが取れそうだ。

勢いづいた僕は「この辺りでいいレコード屋はありますか?」と聞いてみた。

「おお当たり前だよ!任せとけよ!」的なことを韓国語で言ったんだと思う。威勢良く返事した彼はiPhoneを僕に見せてくれた。ここに行けばきっといいレコードに出会えると。

f:id:zawazawamn:20180628192421j:plain

店主

META VOX(メタボックス)とHoehyeodong(ホエヒョン)!」

「ここならローカルなレコードも揃ってる。俺もいつも行くよ!」

慣れない英語を交えて詳しく丁寧に説明してくれた。

実は前もって下調べしまくったけど、この2つはグーグルで調べても出でこなかった。

きっと韓国アーティストに出会えるローカルなレコード屋だ!

気難しそうな人でも、「ili」に自体に興味を持ってもらえたりする。コミュニケーションのきっかけとなる相棒に大いに助けられた。

店主によればMETA VOXはさほど遠くないらしい。彼に「ありがとう」と伝えてMETA VOXへと向かった。

2軒目 META VOX(メタボックス)へ向かう

f:id:zawazawamn:20180628193003j:plain

SETERECORDSから歩いて15分ぐらい。弘大の街の裏通りの、これまた雑居ビルの2階に位置するMETA VOX(メタボックス)に到着。

ドアの向こうに見えるレコードと暗い店内の様子から、明らかに只者ではなさそうなレコード屋の雰囲気がビリビリ漂っている。

ちょっとした緊張感とともにドアを開いてみると…

f:id:zawazawamn:20180628193033j:plain

f:id:zawazawamn:20180628193052j:plain

f:id:zawazawamn:20180628193114j:plain

「あぁ僕はこんな場所に来たかったんだ…!」と感動した。中央に並ぶ棚にもレコードが詰め込まれているし、壁面にもところ狭しとレコードが並ぶ。

棚に入りきらないレコードはボックスに入ったまま床に直置き。さらにサイン付きのレコードが壁に飾られている。

f:id:zawazawamn:20180628194133j:plain

店員は3人。若い男性と女性が一人ずつ。もう一人は50代前後のボス感が強い渋い男性。多分この人が店主なんだろう。

しばらくごそごそとレコードを漁っていると、若い男性店員が韓国語で話しかけてきた。もちろん何て言っているのか僕には理解できない。

「ili」を使って「韓国語がわかりません」と伝えた。さらに英語で返答してみるが困惑している様子。何も言わずに店の裏に消えて行くと、さっきのボスがやってきた。

店主

「よかったら重そうなその荷物を預かりますよ。ちなみにどんなレコードを探しているの?」

と流暢な英語かつ物腰の柔らかな口調で話しかけてくれた。これなら会話しやすそうだ。

「ありがとう、ちなみに韓国のバンドでおすすめはある?」

「ちょっとサイケでフレーミングリップスみたいなのがいい。」

と僕が伝えると、あれだけ広くて山のようにあるレコードの中から、まるですべてのレコードの定位置を完璧に把握しているみたいに、サッと一枚取り出して僕に見せてくれた。

f:id:zawazawamn:20180629123815j:plain

店主

Sanulim(サヌイリム)というバンドで、3ピースの韓国70年代を代表するバンドなんだ。きっと君も気に入ると思うよ!

www.youtube.com

店主は、店内BGMを止めてレコードプレイヤーをセッティングして針を落とす。

f:id:zawazawamn:20180628195411j:plain

曲が流れた出した瞬間「あぁ最高にかっこいい・・・」と一撃で射抜かれてしまった。シンプルなバンド構成ながらファジーなギターにしゃがれたボーカル。日本でいうとゆらゆら帝国みたいな雰囲気だ。

世界のレコードコレクターはSanullimのレコードを求めて韓国に集まってくるらしい。このレコードが残っていたのもめちゃくちゃラッキーだよ、と言われた。

店主

「今のバンドは「本物」じゃない。本物は70年代に生まれたんだ。」

「君も本物のミュージシャンが好きだろう。だからSamullimをおすすめしたんだ。」

どんどん話に熱が入る店主。その熱量とバンドのクールさにやられてしまった。僕もすっかりこのバンドが気に入ってしまい、結局レコードを購入した。

そうこうしている間に時刻は夕刻。ライブがスタートする時間も近づいていたので、レコードを提げてライブハウス「空中キャンプ」に向かった。

ライブハウス「空中キャンプ」でローカルなバンドのライブ

f:id:zawazawamn:20180628193339j:plain

この日のメインイベントである「空中キャンプ」でのライブ。

名前の由来は日本の伝説的なバンド「フィッシュマンズ」のアルバム名だ。それが要因なのか、日本のバンドもここでパフォーマンスをすることも多いようだ。

META VOXからはそれほど離れておらず、10分ぐらい歩いてすぐ到着した。

f:id:zawazawamn:20180628195239j:plain

ビルの地下にライブハウスがある。階段を降りると、真っ暗な空間が現れる。

f:id:zawazawamn:20180628195255j:plain

中に入るとまだ客はまばら。

事前に投げ銭のライブだと聞いてはいたのだけど、iliを使って

チケット代はいくらですか?

何時スタートですか?

いくつバンドが出ますか?

など聞いて見る。どうやら本当に無料で何もいらないみたいだ。

今回ライブを観たバンドはGong Joong Geu Neulというバンド。(何度も読み方を確認したのだけど、僕には聞き取れなかった)

www.youtube.com

最近日本でもシティーポップバンドが人気である。そんな流れにも乗っかってくるような、気持ちいいポップなメロディーとシンセサイザーの存在感が素敵。このオフィシャルPVの再生回数も500回にも満たない、韓国でもまだこれから勢いに乗ってくるだろうバンドだ。

f:id:zawazawamn:20180628195200j:plain

中央でギターを構えるジョンレノンみたいな長髪のイケメンがボーカル。会場の9割が女性で、黄色い歓声が飛び交っていた。MCはもちろん韓国語。何を言ってるのかわからないまま、いつのまにか向かって右側のメインギターの男性が歌い始めた。

しばらくすると「あっ!これフィッシュマンズのカバーだ!」と気がついた。

そう、彼らはフィッシュマンズのBaby Blueを演奏し始めた。正直めちゃくちゃ良かった。とても原曲に忠実なカバーで、日本語歌詞もとてもクリアに上手く歌っていた。音楽に国籍って関係ないよなぁと思わされた。いい音楽はどの国に行ってもいい音楽なのだ。

www.youtube.com

ライブ終わりに知らない現地の人と乾杯しながら、韓国だろうが日本だろうが関係ない。音楽は人をつなぐ。どこにだっていい音楽は存在しているのだなぁ。と感慨深い1日となった。

次回予告 韓国レコード業界のドンと友達になる

f:id:zawazawamn:20180628201025j:plain

f:id:zawazawamn:20180628201035j:plain

f:id:zawazawamn:20180628201053j:plain

正直、2日目に立ち寄ったレコード屋での出会いがこの旅一番のピークだった。

SETERECORDSの店主におすすめされた、ホエヒョンのレコード屋に立ち寄ったのだけど、出会った店主が韓国レコード界のドン。iliを会話のきっかけに、僕は彼と友達になっていた。

後半は近日公開!お楽しみに!

前半はこちらからどうぞ!

【PR】オフライン音声翻訳機ili(イリー)と行く、韓国音楽シーンを探る旅 前編