先日4人組インストバンドregaが活動再開を発表した。2017年5月のライブを最後に突如活動休止を発表して以来の約2年ぶり。僕個人としては待ち望んでいたビックニュースで、ここ最近で一番テンションの上がった。
活動再開とメンバー脱退のお知らせhttps://t.co/2LtBGLt1dx
— Rega (@regaOFFICIAL) 2019年3月8日
同時にギターの四本氏が脱退を表明したことはとても残念ではあった。が、またあの熱気にあふれた心の底から少年みたいに楽しむことができるライブが観れると思うとワクワクする。
活動を再開していたこともあり、きっと記憶から消えつつある人も多いだろうし、現在の音楽シーンにピタッとはまる存在とも言い難い。ゆえに邦ロック好きにも洋楽好きにもその名前と音楽が届きづらいと感じている。
そこで、僕が一番好きなインストバンドでもあり、本来であればもっとたくさんの音楽ファンの耳に届くべきだと心から思うregaを全力でおすすめしていきたい。
僕が考えるregaの良さはこの3つのキーワードに集約されていると思う。
「エモさ」
「ライブの熱量」
「演奏力」
是非この記事を読んでregaを聞いてみようと思っていただければ嬉しい。と、いうか絶対聴いてほしい。
regaってどんなバンドなの?
まずはregaというバンドの大枠からご紹介したい。
活動10周年&シンクロニシティ常連の「Rega」からメッセージビデオ到着!4/8はO-WESTにて14:30〜出演🌟アクティブかつエネルギッシュなライブをお楽しみに!!動画はこちら 👉 https://t.co/4h9WAOGxmG https://t.co/f6jIE2R23l pic.twitter.com/bPIRRZ81Rm
— SYNCHRONICITY FESTIVAL (@_synchronicity) 2017年3月27日
regaとは井出竜二(gt)、青木昭信(ba)、三宅隆文(dr)、脱退した四本晶(gt)の4人で活動しているインストバンドだ。脱退後のギターについてはまだ後任が発表されていない。フジロックの前夜祭トリを務めたり、Rush Ballに出演したり、実績もしっかり残している。
セッションから生まれたのかな?と思うようなリピートされるフレーズが少ない複雑な構成と、それを難解に思わせないキャッチーかつ繊細なギターフレーズが魅力的なバンドだ。とにかくライブがめちゃくちゃに楽しくて良いのだ。
個人的な話になって恐縮だが、僕が大学生の頃バンドでコピーしていたのがregaだ。だから思い入れがどうしても強くなる。あまりに難しすぎてなんども耳コピを諦めかけたけど、その難しさのおかげでベースが上達した記憶がある。
エモが溢れ出るギターのメロディが刺さる。
regaが放つ1つ目の魅力。「ギターメロのエモさ」だ。
まずは上のユーチューブから“Mr.MARLOWE”を聴いてみてほしい。
歌うように饒舌で、それでいて嫌味のないギターが聞こえて来るはずだ。
正直言って、インストバンドというとマスロック的な変拍子や難解でとっつきにくいイメージがあると思う。単純に「え、歌はないの?」と、そもそもインストバンドに興味がない人もきっと多いはずだ。
しかし、regaは変拍子的な難解なフレーズや構成を作ることもあるけれど、とにかく「キャッチー」なのだ。ものすごく難しいフレーズを弾いてようが、いつでも人を惹きつける「ポップさ」と「エモさ」が溢れ出ている。
その「ポップさ・エモさ」の正体がリードギターである井出氏の「ギター」だ。歌がないと音楽を聴く気にならない人でもきっとregaなら聴ける。まちがいない。
もちろん土台をなすリズム隊やリズムギターありきなのだけど、リードギターが奏でるフレーズがとにかく気持ちいい。
メロディーが変幻自在で、終始軽快なメロを放ち続けている。かと思えば繊細で今にも泣き出しそうなギターに切り替わったりする。音だけで感情を表現できるのだ。
さっきの“Mr.MARLOWE”と、“Orange”を聴き比べてみてほしい。”Orange”はギターだけで涙が出て来る。優しさと強さが1曲の中に同時に表現されている。こんなに表情豊かなギターはほとんど聴いたことがない。
ライブの熱量が半端じゃない。
他のインストバンドにも言えることだけど、regaは圧倒的な「ライブバンド」だ。
彼らが持つライブに対する熱量とパフォーマンスが「regaらしさ」を作り出している。
僕もなんどもライブに足を運んだ。そしてライブに行くたび彼らの熱量に圧倒され、踊り、ストレスなんて吹っ飛ぶような爽快さを味わった。
時に即興的なアレンジが楽しかったり、ギターソロ・ベースソロに熱狂したり、何より彼らがステージ上で誰よりも楽しそうにパフォーマンスする様子に観客は魅せられる。
これで身体が踊り出さないなんて嘘。少しでも「このバンドいいかも」と思ったら、次にやるべきことはライブに行くことだ。regaの本当の魅力を体感できるのは「ライブ」だ。幸い活動再開したため、ライブを観るチャンスは大いにある。チケットを買おう。
明らかに難しいことをさらっとやってのける演奏力。
当たり前なのだが、とにかく演奏力が高い。うますぎる。
僕はコピーバンドでベースを担当していたのだけど、コピーする曲全て難しすぎて本当に泣きそうになるぐらい練習した。それでも完全にコピーできないし、ベースがコピーできてもバンド全体で、1つの生き物みたいなグルーブを出すなんてとてもできなかった。
regaの曲は全て難しい。プロのことを「上手い」というのは失礼な話かもしれないのだけど、regaの演奏力の高さが「心を踊らせるような楽しいライブ」を見せる基礎になっているのだと僕は考える。
難しい曲を難しい顔して弾くものかっこいい。
でも、明らかに難しい曲をいとも簡単そうに演奏する姿はもっとかっこいい。
彼らはステージ上で飛び跳ねるし、客を煽るし、井出氏に至っては難しいフレーズを弾いているのに手元すら見ない。とっても難解なことをやっているのだけど、観客に「難しいことをやっているインストバンド」とは思わせず、「客を踊らせるライブが死ぬほど楽しいバンド」と印象づけるのだ。
この”Extra”なんて結構エグい曲だ。こんなのコピーすらできないと思う。各楽器のフレーズや演奏自体がめちゃくちゃにかっこいいのだけど、それ以上に「バンド総体としてのかっこよさ」「ライブの楽しさ」が見事に表現されている。
上手い。上手すぎる。でもそれ以上にライブが楽しい。regaはそんなバンドだ。
regaは最高
regaは「ギターがエモくてキャッチ」「ライブが楽しすぎる」「演奏力もエグい」の三拍子そろった日本最高のインストバンドであることをご理解いただけただろうか。
せっかくこんなにかっこいいバンドが活動再開したのだ。聴かない手はないし、もし気に入ったのだったらライブに足を運ばない手はない。
今発表されているライブは大阪の一本だけ。もし関西にお住いの方がいたらぜひライブに足を運んでほしいと思う。しかもこれまたエグいノルウェーのインストバンドAiming For Enrikeとの対バンだ。
この記事から僕の大好きなバンドを気に入っていただけたなら幸いだ。