2019年リリースされたインディーロック・ポップ中心に、独断と偏見と偏愛でピックアップした30曲をご紹介したい。
当記事では「他の人が選ばなかったらきっとベストには入ってこない(かもしれない)インディーロック・ポップ」をテーマに選曲した。かっこいいけれど、まだ一部音楽ファンにしか届いていない音楽を広く伝えていくことが僕の役割だと感じるからだ。
「いやいや、全部知ってるわ!」という人も「全然知らん音楽ばっかなんやけど…」という人もぜひプレイリストを聴きながら記事を読んでもらえたら嬉しい。気になるバンドの部分だけ読んでもらえるだけでもいい。
30位 Goth Babe “Her Vacation”
Goth BabeはアメリカのSSWであるGriff Washburnのソロプロジェクトである。チルウェーブ的なシンセサイザーのエフェクトとソフトな歌声、エフォートレスなメロディーがクセになる。
リラックスしたいな、今日は何にも考えたくないな、なんて日に聴くといい気分になれる。また、YouTube動画のサムネイルが、車のフロントガラスから覗く山道と森だからかもしれないが、なんとなく山や森、自然を感じる音色がGoth Babeの魅力だと思う。
29位 Neon Indian “Toyota Man”
Neon Indianの新作シングルである”Toyota Man“。メキシコ系アメリカ人であるNeon Indianの中心人物であるAlan Palomoが痛烈なトランプ政権をクンビア的なポップで愉快なメロディーに乗せて歌う曲だ。歌詞もほぼ全てスペイン語で、音楽的な側面もこれまでにないポップな雰囲気を醸し出している。
Alan Palomo自身がショートムービを作るなど映画のバックグラウンドがあるため、作品ごとのコンセプトが明確に作り込まれている。前作の“Vega INTL Night School”のリリースからから4年が経とうとしている中、2020年中のニューアルバムに期待がかかる新曲であった。
28位 Gengahr “Heavenly Maybe”
UKロックバンドのGengahr(ゲンガー)の新譜”Heavenly Maybe“が28位。こればツイッターを介してフォロワーの方に教えてもらったバンドなのだけど、聴いた途端どハマりしてしまった。
同じUKのロックバンドであるBlossomsのような艶のあるボーカルと、繰り返される跳ねるようなベースリフがたまらなくかっこいい。過去の作品はサイケロックの色が強かったようだけど、今作では4つ打ちの踊れるリズムが意識されている。
27位 んoon “Gum”
最近メキメキと知名度をあげ、フジロックをはじめ数々のライブイベントに出演を果たしたんoon。何が他のバンドと大きく違うかというとハープの存在だ。2019年は一度ライブを見る機会があったのだけど、バンドの中にハープがいることになんの違和感を持たせないどころか、明らかにんoonになくてはならない楽器となっていた。
谷口暁彦氏が作るゲームのバグのようなMVも不穏で目を離せなくなる。2020年はさらに飛躍するバンドだと確信している。
26位 Ducktails “One Day”
元Real Estateギタリストであり、過去に色々と問題を起こして活動が表舞台に出なくなっているDucktailsだが、今年リリースしたアルバム“Hard Rock Cafe Chernobyl”は僕のお気に入りだ。
相変わらずのウィスパーボイスで、聞こえ方によってはか弱いボーカルと淡々としたビート、多様に重なるギターとシンセサイザーの浮遊感が心地いい。秋口に聴きたくなるような、妙なノスタルジーを感じることができる。
25位 Plastic Picnic “Well Wasted”
アメリカのインディーロックバンドであるPlastic Picnicが2019年初頭にリリースしたシンセポップ“Well Wasted”。
穏やかでノビがいい歌声と、聴くひとの心を掴む印象的なリフが特徴の曲だ。彼らもまだまだこれから知名度を獲得していくバンドではあるが、なんとなくスタジアム見たいな大きな場所でこの曲が聞けたら気持ちいいだろうな、という壮大で爽快な雰囲気がある。
24位 Fanclub “Leaves”
アメリカの3ピースインディーポップバンドであるFanclubの“Leaves”。同じくアメリカのドリームポップバンドであるLetting Up Despite Great Falseのメンバーが結成したバンドだ。このバンドもフォロワーの方から教えてもらって聴いたところ、ドンピシャにハマってしまった。
やはり曲もドリームポップ的で楽器の音はしっかりうるさい(ギターが歪んでいたり)んだけど、ボーカルはソフトで浮遊感がある。
23位 TAWINGS “水仙”
日本のインディーバンドTAWINGSの“水仙”は今年かなり聴いた曲の一つ。コーラスのエフェクトがかかったベースが推進していくシューゲイザーっぽいサウンドと、サビの抜けるように気持ちいいメロディーが好きだ。
12月にリリースしたアルバム“TAWINGS“も素晴らしい作品だった。ぜひ聴いてみてほしい。
22位 YUNO “Sunlight”
YUNOはアメリカはニューヨークを拠点に活動するDIY精神を体現するミュージシャンである。“Sunlight”は基軸になるメロディーをリピートしていくスタイルで、日曜日の晴れた朝みたいな爽快感がある。
彼の存在はSpotifyのレコメンドで知った。Spotifyのレコメンド機能は本当にすごい、新しい音楽をひたすらディグしたい人はぜひSpotifyをオススメする。
21位 Yumi Zouma “Right Track / Wrong Man”
ニュージーランドのシンセポップバンドであるYumi Zoumaのニューシングルである”Right Track / Wrong Man“は、Yumi Zoumaらしい上品な4つ打ちのリズムとミニマルな楽器構成がいい。
使用する音色の種類の出し入れが本当にいいバンドだなと思う。2020年はライブを見てみたい、来日しないかな。
20位 all about paradise “PARA”
2019年、all about paradiseの“PARA”は本当にたくさん聴いた。
メンバーの個性と楽器のうまさが確実に他のバンドよりも頭一つ飛び抜けているバンドだと思う。サビのメロディーが好き。
19位 Yank! “ループ”
日本のサイケデリックバンドであるYank!の“ループ”は今年ライブを観て初めて知った曲だ。
Ogre You Assholeが好きな人ならドンピシャにハマるであろうボーカルのエフェクトやベースリフ。きっと2020年にはたくさんの音楽ファンに発見されるはずだ。
18位 Dan Mason ダン・メイソン “Everytime I Cry”
アメリカのヴェイパーウェーブ界隈のアーティストであるDan Mason ダン・メイソンの”Everytime I Cry”は物悲しくノスタルジックな楽曲。
ヴェイパーウェーブというと抵抗を持ってしまったり、得体の知れない音楽ジャンルと思う人もいるかと思うが、Dan Mason ダン・メイソンはしっかりの曲自体の構成がありメロディーも存在している。ソフトな歌声とチープなシンセサイザーのリフが混ざり合い、ヴェイパーウェーブとシンセポップのいいところを取った曲に仕上がっている。
17位 Alice Phoebe Lou “Something Holy”
フォークやブルースをベースにギター一本でドイツのストリートで歌っているところからフックアップされ、今年はフジロック出演も果たした南アフリカ出身のSSWであるAlice Phoebe Louの”Something Holy“。
ただ上手いだけない人の心を掴む歌が良い。今年はライブを見る機会を得ることができたのだけど、その迫力はライブで観ると5割増しだった。ぜひ彼女の穏やかながら熱のこもった曲を聴いてみてほしい。
16位 ALASKALASKA “Meateater”
UKのジャンルレスなバンドALASKALASKAの”Meateater“は本当に素晴らしい。
彼らが2019年にリリースしたアルバムである”The Dots”に収録されている。ディスコやファンクのようなキレのいいリズム感に、艶があるボーカル、しかも踊れてしまう。あまりに好きすぎて来日を期待してしまうバンドだ。
15位 Blue Material “Personal”
カナダのマルチプレイヤーでありミュージシャンであるThom GilliesによるソロプロジェクトであるBlue Materialの”Personal”。今年リリースされたアルバム“Nice Guy”に収録されている。
特にベースラインが印象的で、曲全体の雰囲気を決定づける推進力になっている。よりストイックでバンドサウンドに寄せたRooseveltみたいな雰囲気。しかしなんでこんなにカナダには素晴らしいミュージシャンがいるんだろう。
14位 LIGHTERS “Today Too”
こんなに素朴でバンドと楽器の力だけで勝負しているバンドを好きになったのは久しぶりだった。なんだかんだバンドっていいなぁ、と思わせてくれた部分も加味して14位にランクイン。
正直、他のバンドを目当てに観に行ったライブにたまたま出ていて、何も知らずに観たのだけど結果的に好きになってしまった。若くて素朴でバンドの力を最大限生かしているサウンドのおかげで、忘れていたバンドに対する熱みたいな物を思い出させてくれた。
13位 STRFKR “Fantasy”
STRFKRのシングル“Fantasy”を13位に選出。前作”Being No One, Going Nowhere“のシンセポップ路線を引き継ぎつつ、チルウェーブを感じさせるシンセサイザーのアルペジオやフィルターワークなど、個人的な趣向のツボをバッチリついてきた。
あくまで推測ではあるが、おそらく2020年にアルバムをリリースするのではないだろうか。”Fantasy“の雰囲気を纏ったアルバムになると考えると、僕に取っては願ってもないことだ。
12位 踊る!ディスコ室町 “(A BOWL OF) RICE”
京都のファンクバンド踊る!ディスコ室町の”(A BOWL OF) RICE“は本当にいい。本当にいい曲だ。
ファンクをベースにしたリズムと管楽器が気持ちいいし、リリックがフックになってついつい聴いてしまう。「Tokyoばっか歌ってる馬鹿 無視してするメシの話」とか最高だと思う。
個人的に、大学が同じで知っていたバンドであることもあるのだけど、やっと売れかけているし本当にいいバンドだからもっと多くの人に聴いてほしい。きっとファンクだとかジャンルを問わないポップセンスがあるから、誰が聴いても気持ちよくなれるはずだ。
11位 mmmonika “I Can’t!”
アメリカのインディーポップバンドであるmmmonikaの“I Can’t!”はハッピーな雰囲気が溢れ出てていてついつい聴いてしまう。韓国系アメリカ人であるRyan Yooを中心に結成されたバンドだ。
来年にはWalllowsとのツアーも決定しており、今後の活動に注目しておきたいバンドである。
10位 Pizzagirl “ball’s gonna keep on rollin’ “
弊ブログでは2018年からプッシュしているUKのミュージシャンであるPizzagirlのアルバム“first timer”に収録された“ball’s gonna keep on rollin’がダサくて最高なのである。
Pizzagirlを紹介するときにはいつもフロック オブ シーガルズに例えている。LA LA LANDでミアがパーティのときにリクエストする曲“I Ran”を作ったバンドだ。
今の時代のおしゃれでクールな曲とは一線を画している80年代のシンセポップの「良いダサさ」がある。このダサさをかっこよさに昇華できているのはPizzagirlしかいないだろう。
9位 Japan, Man “The Law”
ネクストClairoとも言われているレバノンのLaeticia AcraによるベットルームプロジェクトであるJapan, Manの“The Law”。
なんと14歳でこんなファンキーなベースラインとソフトなポップさを混ぜ合わせた曲を作れてしまう才能に驚いてしまう。とはいえ、才能が発見されるまでの時間はどんどん早くなっているし、年齢で語ることはもはや意味が無いように思えるがとにかくすごい出来だと思わされる。
8位 Tokyo Tea Room “Designer”
2019年は意図せずUKのインディーバンドをたくさん聴いていたのだと振り返りながら気が付いたのだけど、サイケポップバンドであるTokyo Tea RoomもUKのバンドである。
ベースリフが地味ながら良い仕事をしている。サイケデリックでシンセポップ、そして繊細で美しいボーカルはいつまででも聴いていられる。
7位 Long Beard “Getting By”
アメリカのSSWであるLeslie BearのソロプロジェクトであるLong Beardの”Getting By”は昨今の女性SSWの盛り上がりの中でもひときわ美しい作品だと僕は思う。アルバム“Means To Me”に収録されている。
ノスタルジックでとても繊細で美しい歌声とメロディー、ミニマルなサウンドが胸に刺さる。少し悲しいことがあったらすぐにLong Beardに助けを求めてしまう。
6位 Metronomy Salted Caramel Ice Cream
インディーロックの枠組みに入れて良いものかと迷ったが、僕が大好きなUKバンドであるMetronomyの“Salted Caramel Ice Cream”は入れざるを得ない。
今年初めてライブを見ることが出来たのだけど本当に感動したし、めちゃくちゃに楽しむことが出来た。最新アルバムである“Metronomy Forever”に収録されているこの曲は、Metronomyの愉快で楽しい世界観が存分に表現されている。MVではメンバーの小芝居?をみることが出来る。愉快で楽しくファニーで、もちろん音楽にもストイックなMetronomyが本当に好きだ。
5位 Wasuremono “Are You OK?”
https://www.youtube.com/watch?v=_BNBhTG9OiQ
今年発見した中で最も衝撃を受けたバンドの一つであるUKのサイケポップバンドであるWasuremonoの“Are You OK?”。
フレーミングリップスのオープニングアクトを務めるなど、確実に世界中にファンベースを拡大しつつある彼らの”Are You K?”は至極ポップに振り切ったサウンドで、あえてチープなドラムマシーンでリズムを作り、ハイトーンボイスで歌い、フレーズをリピートするサイケ感がたまらなくかっこいい。どことなくヴェイパーウェーブっぽい名前とヴィジュアルだが、サウンドはしっかりバンドのものだ。
2020年、ブレイクするインディーバンドだと僕は確信している。
4位 Dayglow “Can I Call You Tonight”
Dayglowも先ほどのWasuremonoに匹敵するインディーポップバンドである。アメリカのミュージシャンであるSLOAN STRUBLEのソロプロジェクトという側面が強いバンドで、Tame ImpalaのKevin Parkerと同様、自分で曲を完成させた後にバンドを集めてライブパフォーマンスを行うというスタイルで作曲している。
MVのチープなクロマキー合成で作られたヴィジュアルは、悪ふざけに思えるけれど彼らの曲に合っている。4つ打ちに心地いクリーンなギターが乗る。2020年にブレイクするであろうインディーポップバンドだ、要チェック。
3位 the mellows “Plastic Time”
日本のバンドで、今年発見した中だとthe mellowsがダントツで良い音楽を作っていたと僕は思う。ヴェイパーウェイブの無意味なサンプリングや理解不能な日本語、ノスタルジックなサウンドを抽象化してバンドとして曲に組み上げたセンスに驚いてしまう。
今年the mellowsのライブを観ることが出来た。打ち込みやSEなどを使用するバンドはライブの再現度がいまいちだったりすることもあるが、the mellowsは完璧だった。今後の活躍にとても期待してしまう。
2位 踊ってばかりの国 “ghost”
僕個人として日本のバンドで一番思い入れがあり、大好きな踊ってばかりの国の”ghost“が2位だ。今年リリースされたアルバム”光の中に”はアルバムとしても完璧でありながら、そのリードトラックとしての”ghost“は鳥肌がたつぐらい魂がこもった曲。
概念としても、音楽ジャンルとしても、日本で一番「ロック」を表現しているのは踊ってばかりの国だと思うし、MVから曲から己の道をいくスタイルを体現しているバンドは本当にかっこいい。
来年リリースされる自作がとにかく待ち遠しい。
1位 Men I Trust “Tailwhip”(Oncle Jazz)
1位はMen I TrustのTailwhipだ。というか、Men I Trustに限ってはTailwhipが収録されたアルバムOncle Jazz全体が素晴らしかった。このOncle Jazzに関していうと、アルバム一枚丸々聴ききることに意味があるアルバムだ。
単体で切り取り聴くことももちろん出来るし、それでもそれぞれの楽曲は素晴らしいのだけど、アルバムを通して聴きたくなる曲構成とつなぎがとても丁寧に作られている。そこに意志を感じるし、哲学すら見えてくる気持ちになる。
あえてTailwhipを選んだのは、アルバムバージョンはよりギターの音が強調されてバンドとして強くなった印象を持たせてくれたからだ。バンドとしてツアーをまわりライブを繰り返す中で、バンドとしての身体性を獲得していったことを示す曲だなぁと個人的に感じた。
PR : Spotifyのプレイリスト作りました
2019年はたくさん音楽を聞いたけれど、2020年も引き続きたくさん良い音楽をディグして行きたい。
普段はこのプレイリストを更新している。このランキングが気に入ったなら、ぜひフォローしてもらえると嬉しい。



