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【トラックレビュー】downtown market “Blue” / “Sleeping Owl”

downtown market – Blue

 

downtown market – Sleeping Owl

 

日本のインディーポップバンドdowntown marketの新譜”Blue“と”Sleeping Owl“が12月18日にリリースされた。

爽やかなギターポップでありながら、USインディーのような無駄な装飾のないサウンドが心地いいバンドだ。ハイトーンボイスが特徴的で、明快でポップなリフ・メロディーが聴く人の心を掴む。

本記事ではdowntown marketの紹介と、ニューリリースの”Blue“と”Sleeping Owl“の楽曲としての良さをお伝えできればと思う。

downtown marketとはどんなバンドか?

downtown marketは東京を中心に活動するインディポップバンドだ。メンバーはバンドのキーパーソンであるSleepingowl(Gt. / Vo/)ササキクルミ(Ba. / Vo.)の二人がベースメンバー。
過去に横浜で主催したイベントにはRingo Deathstarr(US)HomecomingsThe fin.などをゲストに招いている。

ギターポップをベースにした楽曲は爽やかだ。さらにシンセサイザーが効果的に使われていて、ドリームポップやベッドルームポップの文脈で捉えることもできるだろう。メンバー二人が重なるコーラスワークもdownrown marketの大きな特徴だ。いい意味で「音楽を聴くための体力」を求めないエフォートレスなサウンドがUSインディーの雰囲気を感じさせてくれる。

サウンドはアメリカのインディーポップバンドであるFrankie Cosmos(フランキーコスモス)と共通する部分があるだろう。シンプルなギターが推進していく構成や、メロディーのエフォートレスな雰囲気などはFrankie Cosmosdowntown marketどちらにも見つけることができる。ボーカルの男女の違いはあるけれど。

Frankie Cosmos – Windows [OFFICIAL VIDEO]

 

DIY的なシンプルさと展開力 “Blue”

同日にリリースされた2曲のうち、まずは”Blue”からレビューする。

イントロからリスナーに印象付けるシンセサイザーのリフからスタートする。後半ではギターで同じリフをAメロでリピートすることで”Blue“のシグネチャーとして機能している。

曲全体としてシンプルな音数でギターが基軸。昨今のインディーバンド、ベッドルームプロジェクトと呼ばれるようなDIY精神を感じる音楽だ。FazerdazeSnali Mailなどと共通した「あくまでギターが曲の中心にいるサウンド」感がある。

Fazerdaze – Lucky Girl (Official Video)

 

Speaking Terms

 

もちろん曲全体をしめる役割としてシンセサイザーが効果的に使われているのは間違いないが、あくまでギターポップ/ロックバンドであることを強く印象づけられる。

後半に差し掛かるとギターソロやラストのサビでグッと盛り上がるあたりで、日本のバンドのよさだと個人的に感じる「展開力」を感じることができる。

DIYアーティスト的なシンプルさと、日本的な展開力が魅力である良い楽曲だ。

Frankie Cosmosを感じたインディーギターポップ “Sleeping Owl”

もう一曲の”Sleepingowl”は、初めて聴いたときに「Frankie Cosmosの雰囲気に近いものがあるな」と感じた。

イントロのギターフレーズやシンプルな8ビートのドラムはどことなくUSインディーバンドの雰囲気を感じさせる。Soccer Mommyをきいた時の印象とも近いかもしれない。

Sleeping Owl“にはシンセサイザーの音色がなく、ギターポップ/ロックという印象がより強い。いい意味で余計な装飾のないシンプルなギターポップで、曲全体の印象も終始穏やかでチルを感じるサウンドだ。この記事を書いているのは12月の寒い冬だけど、夏の暑い日の夜なんかに聴きたくなるかもしれない。

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