大阪のインディー・ドリームポップバンドであるThe mellowsが1月22日に新EP“MEMORY OF HOLO LOVE”をリリースした。
ここ数年で一番ハマった日本のバンドを一組挙げろと言われたら、僕はThe mellowsと言うだろう。
彼らはインディーロック・ドリームポップのストラクチャーの中に、ヴェイパーウェイブのノスタルジーと虚無を美しく閉じ込めている。他に例えようがないバンドだ。
バンドサウンドが与えるヴェイパーウェイブに身体性
80~90年代の商業音楽(ショッピングモールのBGM、大衆向けのポップソングなど)をサンプリングし、カットアップしたりスクリュー、ダウンピッチすることが特色であるヴェイパーウェイブという音楽ジャンルがある。
ヴェイパーウェイブについてこちらの記事を参照してほしい。

例えばイントロのサンプリングしたと思われるカットアップはまさにヴェイパーウェイブの強い影響を感じさせる。
MVはDepthというPlayStationのゲームソフトの映像を使って作られているようだ。ウィンドウズのイルカが深海を泳いでいく映像はローファイで「よかったあの頃」的な何かを思い出させるノスタルジー。この要素もまさにヴェイパーウェーブを思わせる。
曲自体はバンドサウンドとして構成が入念になされているが、曲を推し進めていくギターのリフがリピートされ続けるてんや、全体として音がローファイだ。VHSに録画された昔の映像のような音である。
The mellowsのようなバンドがヴェイパーウェーブを「バンドサウンド」として再現することで、本来不気味で取っつきにくい音楽が急に身近に感じられる。僕自身ヴェイパーウェイブの音楽には「血の通っていない」雰囲気を感じて気味が悪いと思うこともある。音楽の後ろに人の気配がないのだ。
The mellowsの音楽には「バンド」と言う身体性がしっかり感じられると同時に、ヴェイパーウェイブが持つノスタルジックでローファイ、そしてどこか虚無を感じる「人間の不在」を見事にバンドサウンドに昇華している。
1月26日には大阪でパソコン音楽クラブとZombie-Changとの3マンライブがある。ぜひThe mellowsの音楽が気に入ったあなたは、ライブにも足を運んでほしい。僕も一度観たことがあるが、ライブでも素晴らしいパフォーマンスを観れるバンドだ。
楽しみです
2020/1/26 18:00〜 @大阪・南堀江SOCORE FACTORY
前売¥3,000/当日¥3,500出演
ZOMBIE-CHANG -Electro Set-
パソコン音楽クラブ
The mellowsフライヤーデザイン
伊達努 pic.twitter.com/nLmOGLSIJl— (@The_mellows_) January 8, 2020
The mellowsについてより詳しく知りたい人はこちらの記事も!
2019年にリリースされたEPである”Take Me Out Of This World”について紹介している。Apple Musicのオフィシャルにも選ばれたこの作品はThe mellowsを世の中に知らしめる作品となった。ぜひ聴いてみてほしい。

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The mellowsの“Mild Night Beam”も入ったSleepyhead_Blogのプレイリストを最近作成した。
主にインディーロック/ポップ、シンセ/ドリームポップのアーティストを世界中からピックアップするプレイリスト。ぜひ聴いてみてほしい。
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