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【書評】『自省録』は悩むあなたに自分の人生を歩む勇気をくれる

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こんにちは、Sleepy head(@SleepyHead_blog)です。

 

最近書評ばかりなんですが本日はこちら。

 

マルクス・アウレーリウス 『自省録 』

 

最後の五賢帝であるマルクス・アウレリウスは、ローマ皇帝としての多忙な職務のかたわら哲学的な思索を好み、後期ストア派を代表する哲人でもあった。本書はその思想を直接知ることのできる、彼の唯一の著書である。

自省録 – Wikipedia

 

歴史的な出来事や、当時のローマ帝国の様子などについては一切触れられておらず、自分自身に向けられて書かれている日記?みたいな著書です。

 

 

ストア派と呼ばれる哲学の一派を代表する哲学者としてのマルクス・アウレーリウスの哲学思想を垣間見れます。

 

形態としては12巻に分かれてはいますが、それぞれが繋がっているわけでなく、全てがバラバラとした独り言みたいな感じ。

 

なんだか難しそう・・・

哲学とかよくわかんない・・・

絶対複雑で入り組んでるんでしょ・・・

 

という声が聞こえてきます。

が!意外とわかりやすく、メッセージ自体はとてもストレート。

 

熟慮の結果いったん決断したことはゆるぎなく守り通すこと。

マルクス・アウレーリウス 『自省録 』

 

多くの知識を持ちながらそれをひけらかさぬこと。

マルクス・アウレーリウス 『自省録 』

 

公益を目的とするのでないかぎり、他人に関する思いで君の余生を消耗してしまうな。

マルクス・アウレーリウス 『自省録 』

 

いや〜約2000年前にこの思想を持っていた

マルクス・アウレリウスすごくないですか?

 

現代にも通用しますし、他人に不必要に惑わされず己の道を突き通そうとする姿が目に浮かびます。

 

このように、自分自身が感じたことや守りたい考え方などを、書き留めておいたような文体ですね。

 

 

今苦難に立ち向かっていく勇気が欲しい人へ

 

そんな力強い、独立したローマ帝国を率いた哲学人はこんなことを書き留めています。

 

今、自分が置かれている状況に不満を抱いていたり、出ていこうともがいている人に送りたい。ちょっと長いけど。

 

「なんて私は運が悪いんだろう、こんな目にあうとは!」 否、その反対だ、むしろ「なんて私は運がいいのだろう。なぜならばこんなことに出会っても、私はなお悲しみもせず、現在におしつぶされもせず、未来を恐れもしていない」である。なぜなら同じようなことは万人に起りうるが、それでもなお悲しまずに誰でもいられるわけではない。それならなぜあのことが不運で、このことが幸運なのであろうか。いずれにしても人間の本性の失敗でないものを人間の不幸と君は呼ぶのか。そして君は人間の本性の意志に反することでないことを人間の本性の失敗であると思うのか。いや、その意志というのは君も学んだはずだ。君に起ったことが君の正しくあるのを妨げるだろうか。またひろやかな心を持ち、自制心を持ち、賢く、考え深く、率直であり、謙であり、自由であること、その他同様のことを妨げるか。これらの徳が備わると人間の本性は自己の分を全うすることができるのだ。今後なんなりと君を悲しみに誘うことがあったら、つぎの信条をよりどころとするのを忘れるな。曰く「これは不運ではない。しかしこれを気高く耐え忍ぶことは幸運である。」

マルクス・アウレーリウス 『自省録 』 

 

いかがでしょうか。

 

要するに

  

今不幸だと思ってるかも知れないけど、それに耐え前に向かうことことが幸運だということ。

確かに辛いけど、そのこと自体があなたを縛り付けて、あらゆる自由を奪うわけじゃないから、強く生きていこうな。

 

と、言えるかと思います。

 

不幸な状況を呪って、嘆いている限りは不幸なままです。

耐える勇気を持つことが、幸運へ向かう最初の一歩ですよね。

 

 

変化が怖くてチャレンジできない人へ

 

変わっていくことというのは難しいことです。

変化を恐れず、チャレンジする!なんてことは口では簡単に言えますが

実際変化を伴うチャンスが訪れても怖気付きますよね。

 

そんなあなたにこちら。

 

変化を恐れる者があるのか。しかし変化なくしてなにが生じえようぞ。宇宙の自然にとってこれよりも愛すべく親み深いものがあろうか。君自身だって、木がある変化を経なかったならば、熱い湯にひとつはいれるだろうか。もし食物が変化を経なかったならば、自分を養うことができるだろうか。そのほか必要な事柄のうちなにが変化なしに果されえようか、君自身の変化も同様なことで、宇宙の自然にとっても同様に必要であるのがわからないのか。

マルクス・アウレーリウス 『自省録 』

 

「変化を恐れる者があるのか。しかし変化なくしてなにが生じえようぞ。」

この一文が全てを物語っていますよね。

 

今いる場所から出てとすると、なにかしらは100%変化が訪れます。

変わらないことなんて不可能なんですよね。

 

あなたは数ヶ月前と比べた時になにも変わってないと思うかも知れませんが、身体の状態や、心の持ち方、人間関係など刻一刻と変化し続けています。

 

関係性が変わっていないつもりでも、事情があって慣れ親しんだ地元を離れるとそこに住む友達とは疎遠になりますよね。なにもせずとも変化していくのです。

 

何かを成し遂げるなら、変化は伴う。

自分がポジティブに変化しているのであれば、それは何かを成し遂げようしている証。

 

変化を恐れてはいけませんよ!(自戒)

 

 

将来に漠然とした不安を抱えている人へ

 

わかります。

 

将来の生活はどうなるのだろうか

昇進しているのだろうか

結婚できるのだろうか

お金に困ってはないだろうか

 

悩みは尽きません。でもいくら悩んだところでなにも解決されません。

 

そんなあなたに。

 

未来のことで心を悩ますな。必要ならば君は今現在のことに用いているのと同じ理性をたずさえて未来のことに立ち向かうであろう。

マルクス・アウレーリウス 『自省録 』

 

今、まさに今のことを考えるように、未来のことを考えていくべきなのです。

確実なことがなにもないことを考える時には、今現在確実に起こっていることにを考えるような理性が求められます。

 

無駄なこととは言いませんが、将来に対する「ふわっと」した不安は、脇にやって、今に集中しまししょう。

 

 

まとめ

 

 

このように、心が弱っている人や悩みを抱えてどうしたらいいのかわからない人に

ぴったりなメンタルの作りかた、的なお話が書かれています。

 

あーー最近ついてないなぁ、周りが悪いからこんな状況に置かれているだ・・・

と、自分以外のものに全部責任を投げちゃうひとは一度読んでみてください。

 

変化を恐れず、自分の人生をコントロールする勇気を持てる本です。

 

では。