踊ってばかりの国がアルバム”私は月には行かないだろう”を2020年1月22日にリリースする。アルバムのリリースに先立ち公開された”青いピアス“が端的に言って名曲。
少し懐かしくなり始めている少し昔の夏の青春を歌った”青いピアス“を聴くと、真夏の海岸とか、昔好きだった女の子、忘れそうになっていた青春のそれを思い出させてくれる。
「風向きが変わり 君の色 淡くなる でたらめだけど 絶妙に当を得ている」という一節で去っていった青春を感じる。個人的に好きな詩だ。
日当たりのいい真っ白な部屋でギターボーカルの下津氏が歌う姿が爽やかなMVも魅力的だ。この”青いピアス“で主役となるのは間違いなく下津氏の歌。だからMVでも下津氏が一人でギターを弾きながら歌うのだろう。歌が主役であることをグッと印象づけてくれる仕掛けである。
サウンドとしては至極シンプルに「下津氏の歌を最大限生かす」ことを念頭に置かれたシンプルかつ力強い曲だと思う。踊ってばかりの国はメンバーが変わったり、作品を重ねていくたびに、外側の皮膚がおぎ落とされてむき出しでシンプルな曲作りに向かっているように感じる。
部屋をうまく使ったMVで思い出すのは“悪魔の子供“で、この曲もいたってシンプルなロックンロール。”悪魔の子供“がリリースされた10年前と根っこの作風は強く残っているけれど、当時よりもさらにあるがままのシンプルさが今の踊ってばかりに感じられる。
きっとアルバム”私は月には行かないだろう”は極限まで上がった僕らのハードルを軽く飛び越えるような傑作になるに違いない。アルバムリリースがとにかく待ちきれない。今は”青いピアス”を聴いて、アルバムを予約して待とう。