インディペンデントな活動をするミュージシャン・バンドが歌う歌は、独自の視点で世界を切り取った言葉が盛り込まれている。
つい最近まで「歌詞よりも曲の良し悪しが大事」なんて思っていたけれど、それは違うな、と最近改めて思う。
言葉にフォーカスをして記事を書くことは今までなかったのだけど、僕が好きなインディーバンドやミュージシャンが歌う言葉を取り上げてみたいと思った。最近しっかり言葉を自分なりに解釈したい気持ちが生まれてきたからだ。彼らには伝えたい何かがある。
Stella Donnellyのインタビューを読んでいると、単に曲がカッコいい以上に「伝えるべきテーマ」がそこにあることを知った。
参考 Interview Stella DonnellyMonchiconと、言うことでヘビーな言葉から僕個人が心に残った一節を紹介していくシリーズ「Words From Indie」を始めてみる。第一回はTame Impala “Yes, I’m Changing”。
Yes, I’m Changing
“They say people never change but it’s bullshit, they do”
「人は変わらないなんて言うけれど、そんなのは嘘だ。人は変わっていく」
自分の性格や容姿、体型や思想、好きな異性のタイプ、スタバで注文する好きな飲み物、生きていれば何から何まで変わっていくなぁ、と思う。たとえ「自分は変わらないでおこう」と心に誓ったとしても、人は知らず知らずのうちに変わっていく。
僕だって一年前の自分と今を比べて、良くも悪くも変わった。英語が話せるようになったし、少し体重が増えたりした。ヒゲを生やしてみたりして、今では転職しようとしている。去年の自分には予測できなかったことがたくさん起こっている。多分読んでくれているあなたにもたくさんの変化があっただろう。
「人は変わらないなんて言うけれど」と言う言葉は、他人があなたに抱く一種の願望だったりする。例えば、恋人がいつの間にかみるみるうちに知らない音楽を聞くようになったり、いつもと違う洋服をきたりすると「僕が知らない誰か」に変わっていく様子を見せつけられている気になって不安を感じるはずだ。その時あなたはきっと「変わって欲しくない」と思うはずだ。多分僕も自然にそんな感情を持つと思う。
とはいえ、誰かが変わりゆくことを誰がとめられるのだろう。ポジティブだろうがネガティブだろうが、当たり前のように人は変わっていく。誰かが止められることではないのである。
“Yes,I’m Changing”は現在進行形だ。将来的に変わるのでもなく、変化を終えたわけでもない。生きている限りは人は変わり続けていくのだろうというメッセージが込められている気がする。
ちょっと話は逸れるけど「変わり続けてきたからこそ、変わらずに生きてきた」と言うNeil Youngの名言通り、僕らは変わり続けている。自分に起こる変化も、他人が変わっていく様子も恐れずに生きていきたいなぁと思う。