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Luby Sparks(ルビースパークス) “Tangerine”

Luby Sparks | Tangerine (Official Audio)

 

日本のインディーバンド、Luby Sparks(ルビースパークス)を聴いたことはあるだろうか。

こんなことを言うのもどうかと思うけれど、ちょっとナメていた。少し前までは「海外にウケる日本のバンドでしょ、最近よくいるよね」ぐらいに思っていた。

ところがそんなことは全くなかった。本当に謝りたい。

日本的なメロディーやギターフレーズのポップさを持ちながら、シューゲイザー的な強めで歪んだ音を効果的に盛り込む。さらに浮遊感のあるドリームポップを感じるボーカルとのバランス。衝撃的に良いバンドだ。

スーパーカー+ブリティッシュインディー

きっとLuby Sparksを初めて聴いたとき「スーパーカーっぽくない?」と思うだろう。男女ツインボーカルと、爽やかながらどこかノスタルジックなギターの音色、耳馴染みの良い気持ちいいメロディー。

インタビューでも「メロディーやギターリフが日本人好みっぽいのはスーパーカーのせい」と言っていたぐらい。さらに、男女の歌声が重なる捉えどころのない浮遊感がきっと「スーパーカー」を思わせているのだろうと思う。

そのスーパーカーを思わせるイントロのギターフレーズが特徴的な曲がTangerineだ。コーラスがかかったクリーンかつ芯の強いギターフレーズ。その曲を聴く人の心を惹きつける。

一方で、イギリスのインディーバンドYuck(ヤック)の影響も多大に受けている。

Yuck – Get Away

 

イギリスのメンバーが大学生だった時に、イギリスでのレコーディングを決行する。しかもYuckのメンバーであるMax Bloomの実家のスタジオで。そもそもの行動力がものすごいし、できあがったアルバムの間違いなく傑作だ。

「Yuckにプロデュースしてもらうのが目標」とインタビューで語っているのだけど、その影響が確かに感じられる。基本のインディーロックとしての曲の形は確実にYuckからの影響があるだろう。

ライブを観た いい意味で予想を裏切られた

Luby Sparksをちゃんと聴こう!」と思ったのはライブを観る機会があったから。


下北沢Threeでのライブをまさに昨日観てきたのだけど、いい意味で期待を裏切られた。こんなにもシューゲイズでドリーミー。さらにはバンド自体に雰囲気がある。

今年の2月から新しいボーカルのErikaの髪は金髪で、ベースボーカルのNatsukiは金髪だ。まず最初にそこが印象に残った。

ギターは思ったより爆音で歪ませたり、コーラスがかかったようなクリーンで芯の強いギターリフとサウンド。思ったよりもゴリゴリにロックしていて予想を裏切られた。

何だかよりギターポップの要素を強めたLetting Up Depite Great Faultsみたいに感じた。「〜に似てる」とかはあんまり良くないんだけど、ドリームポップ/ロックのサウンドは通ずるものがあると僕は思う。

Letting Up Despite Great Faults – "Our Younger Noise"

 

ライブパフォーマンスのクオリティもものすごく高かった。新曲も数曲披露していたのだけど、これもギターロックな雰囲気が強まった曲や、電子ドラムパットを使った少しエレクトロなサウンドまで、次回のアルバムがより楽しみになった。

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チルタイムにはこの曲。Fazerdaze “Little Uneasy”

ドリーミーな浮遊感と、ギターポップが好きならFazerdaze(フェザーデイズ)をぜひ聴いてみてほしい。