フィリピンのファンクポップバンドIV OF SPADESの来日ライブを観てきた。
I need to post this video against my policy, not taking any videos during showlive, in order to show how wonderful IV of SPADES’ performance was!!!
フィリピンのバンドIV of SPADESめちゃくちゃかっこよかったっすわ、マジで。 pic.twitter.com/3GOiJ5pKY6
— Sleepyhead | 音楽のブログ (@SleepyHead_blog) January 31, 2020
正直なところ、予想してよりも断然かっこよかった。事前に有名どころの曲を数曲聴いたが「なるほどね、おしゃれでかっこいいね」ぐらいの普通の印象しかなかったのに、いい意味で期待を大きく裏切られた。
しかしライブを観て完全にハマってしまった。ライブパフォーマンスが異常に良かったのだ。記事を書くつもりもなかったけれど、これは書かなきゃいけない。書いて音楽好きのみなさまに伝えなければならない義務感がある。
この記事を通じて、おそらく日本ではまだ知らない人も多いだろうIV OF SPADESのとんでもないかっこよさを伝えていきたい。
ファンクとディスコに裏打ちされたポップ
IV OF SPADESはベース・ボーカルZild Benitez(ジルド・ベニテス)、ギター・ボーカルBlaster Silonga(ブラスター・シロンガ)、ドラムBadjao de Castro(バジャオ・デ・カストロ)からなる3ピースバンドである。
1970~80年代のファンクやソウル、ポップスをインスピレーション源として楽曲を制作している。マイケルジャクソンや、Earth, Wind & Fire、近年のバンドではTape Impalaなどから影響を受けたサウンドが魅力だ。ファッションも同様で、フレアパンツに派手なシャツなど、ヴィンテージ感ある洋服でステージに上がる。
特にベースラインが異常にキマっている。いや本当にすごい。僕がベーシストで、ついつい自分の楽器に注目して音楽を聴いてしまう癖を差し引いてもファンキーで流れるようなベースラインがたまらなくかっこいい。”Hey Barbara“のベースフレーズを聴いてみてほしい。Jaco Pastoriusに影響を受けたというZildのベースラインはあまりに秀逸。
がっつりファンクに振れる曲もあれば、”Mundo“のようにスタジアムロック感ある壮大な曲を作り出したりする。僕が彼らのライブをみたのはライブハウスでだけど、ギターソロやボーカルのメロディーラインの壮大さに”スタジアム”を感じることができた。
フィリピンではミュージックアワードで演奏するぐらいの人気だ。Aメロからシンガロング起こるぐらい認知されているとはすごい。
ちなみに、タイトルの”Mundo“はスペイン語で”世界”という意味。フィリピンの公用語は英語とフィリピン語ではあるが、過去スペインが植民地支配していた歴史からスペイン語を話す人もいると聞く。どちらの言語でも歌うあたり、フィリピンを代表する矜持みたいなものが見え隠れする気がする。
スタジアムが似合う壮大な曲や、ファンクの要素をつなぎとめる要素が「メロディー」のポップさ、キャッチーさである。”Come Inside Of My Heart“のイントロはちょっと悲しげで80~90年代のシティーポップ感があるレトロさを感じる。と、思えばサビはマルーン5ばりの爽やかで抜けるような、きっと誰が聴いても心地いいメロディーで聴く人の心を掴む。
ファンク・ソウル・サイケなどの根源にあるインスピレーションを、ポップセンスを持って解釈している感が良いバランスを生み出していると僕は思う。
彼らの人気はフィリピンだけにとどまらない。”Mundo“のライブ映像の再生回数に注目してほしい。なんと1.2億回である。しかもライブ映像。MVではない。
他のMV等の映像も軒並み100万回再生前後なので、彼らの人気は間違いなくフィリピンで確立されているし、世界中の人たちに届いている。
きっと日本のリスナーにもグッと来るはずだ。同じ東南アジアのPhum ViphuritやIkkubaruなんかと肩を並べるサウンドである。日本のバンドと比べるとベースの雰囲気はOKAMOTO’Sのハマ・オカモトとも近しいスタイルだ。
ぜひ耳の早い音楽好きのあなたにIV OF SPADESを聴いてほしい。
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IV OF SPADESの“Coming Inside My Heart”も入ったSleepyhead_Blogのプレイリストを最近作成した。
主にインディーロック/ポップ、シンセ/ドリームポップのアーティストを世界中からピックアップするプレイリスト。ぜひ聴いてみてほしい。
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