CHVRCHES(チャーチズ)のサードアルバム“LOVE IS DEAD”が5月25日にリリースされた。
チャーチズはスコットランドはグラスゴー出身3人組のエレクトロポップバンド。キャッチーでポップな楽曲が魅力で、日本でも抜群の人気を誇っている。
ボーカルであるLauren Mayberry(ローレンメイベリー)のルックスに惹かれた人も多いのではないだろうか。もちろん曲がいいのは前提にあるが、なんせ可愛い。
20代前半の頃、チャーチズのローレンメイベリーが圧倒的アイドルだったわ …調べてみたら今年で30歳なんすね。そりゃ歳とるわ。 pic.twitter.com/xehHC6ygJz
— Sleepyhead | 音楽のブログ (@SleepyHead_blog) 2018年5月25日
1stアルバム”The Bone Of What You Believe“と、2ndアルバムである”Every Open Eye“をリリースしており、すでに素晴らしいエレクトロポップバンドとして評価されている。
例えば1stアルバムに収録された”Gun“という曲。ちなみに僕はこの曲でチャーチズの存在を知ることになるのだが「こんなに気持ちいい曲はあるのか!」と、疾走感とキャッチーなメロディに心を打たれた。
今回の3rdアルバムである”LOVE IS DEAD“は、これまで培った「ポップバンド」としての存在感をさらに強くするスケールの大きなアルバムだ。
正直まだ2018年上半期も終わっていないけれど、年間ベストに入れてしまうだろうという予感がする。傑作であり、最高のポップアルバム。
バンドのスケールをさらに拡大し、さらに多くのリスナーを獲得しうるであろう”LOVE IS DEAD“が持つ「ポップスターばりのスケール感」を伝えてきたい。
エレクトロ ポップバンドとしてのスケールが大きくなった理由
これまでリリースしてきた2枚のアルバムはセルフプロデュースだった。
それでも十分にポップに響く素晴らしいアルバムを作り上げていたのだが、今作はプロデューサーとしてGreg Kurstin(グレッグ・カースティン)を迎えている。
「グレッグ・カースティン?誰やそれ」と思う方も多いだろう。僕も最近知ったばかりだからよくわかる。
ベックやリアム・ギャラガー、アデルなどそうそうたるロックスター・ポップスターのプロデュースを手がけ、アルバムを成功に導いてきた「最高のポップガイ」なのである。
グレッグの仕事っぷりが故に、”LOVE IS DEAD“のスケールがグンと大きくなったと思わせる。
チャーチズも面々も「彼は言葉を使わずに、天才的な感性で僕らのメロディーを引き出すことができる。そのおかげで力をもらったし、僕らにとって特別な存在」とインタビューで語っている。
スタジアムライブが似合うポップスターバンド感
アルバムは”Graffiti“から始まる。この曲を初めて聞いた時、頭の中に浮かんだイメージは「夕方のスタジアムライブでこの曲を演奏する」チャーチズの姿だ。
アルバムの幕開けにふさわしいミドルテンポで歌い上げる素晴らしい曲。
どこか大きなサッカースタジアムで流れていたら気持ちいいだろうなぁ〜と思わせるのびるようなボーカルと、頭にしっかり残るシンセのメロディがたまらない。
そして2曲めには”Get Out“が続く。正直、この2曲の繋ぎだけでご飯100杯ぐらい食べられるんじゃないかってぐらいピタッと繋がる。
何を言っているんだ?と思われるかもしれないが、サビに入ると同時に、全力で「ゲッゲッゲアーウ」と歌いたくなるはず。サビが本当に気持ちいい。多分出演予定のフジロックでも大合唱が生まれるのではないだろうか。
シリアスな曲が胸を打つ
アルバムリード曲である”Miracle“はどちらかというとシリアスな雰囲気。PVも霧がかかった道で暴動が起こる中、ローレンが歩くというというもの。
「今の世の中はカオスで予想もつかないことがたくさんあるが、何が真実なのか見極めよう」というメッセージが含まれている。
さらに”Never Say Die“もスローテンポで、エモーションを刺激するメロディー。
この曲もサビで大合唱が起こる曲だろう。悲しいわけではないのだけど、サビのメロディーは本当に泣ける。
メジャーシーンで評価されるべき作品
オープニングからの2曲や、シリアスな雰囲気を持つ曲も収められているアルバム。
何度か聴いているうちに、アルバム全体から感じられることがある。
それは、より大きな場所で、より多くの人が集まるライブで演奏している姿をイメージさせる「スケールの大きさ」だ。
なんというか、今までは「インディー」なポジションとして評価されていたけれど、今作は「ポップ」のくくりで評価されるべきアルバムだと思う。
テイラースウィフトとか、デュラリパなどの、世界のポップメジャーシーンど真ん中みたいなアーティストと張り合える幅広い層を抑えるポップさが備わっている。
インディー的なスタイルから一つ大きくスケールアップするためのアルバムであり、その意図が見事にハマった傑作だと思う。
プロデューサーを新たに迎えたのも、きっと一つの意思表示なのだろう。
僕はチャーチズがさらに大きなバンドになることを願っているし、この作品をきっかけで世界の名だたるポップアーティストと肩を並べることになると信じている。
チャーチズのターニングポイントなる重要なアルバムを絶対に聴き逃さないでほしい。
最後に
“LOVE IS DEAD”が気に入ったあなたに朗報。すでに2018年7月開催のフジロックに出演が決まっている。
ぜひ参加を決めている人はチャーチズを見てみてほしい、素晴らしいステージを楽しめるはずだ。
同じエレクトロポップが好きならMen I Trustもきっと気に入ってくれるはずだ。ぜひこちらも聴いてみてほしい。