【トラックレビュー】Tame Impala “It Might Be Time”

Tame Impala – It Might Be Time (Audio)

 

オーストラリアを代表するサイケデリックロックバンドであるTame Impalaがアルバム“The Slow Rush”を2020年2月14日にリリースする。

2019年の初頭には”Patience“と”Border Line”をシングルリリースし、ファンの間ではニューアルバムへの期待が高まっていた。どうやら、アルバム製作のスケジュールが後ろ倒しになり当初よりも遅れてしまったようだが、僕個人としてもアルバムのリリースは非常に嬉しい。

“The Slow Rush”のリリースに先立ち、先行で公開された楽曲が“It Might Be Time”である。

初期のサイケデリックなファジーなギターサウンドと、前作“Currents”で開花したシンセサイザーなどエレクトロなサウンドを織り交ぜた作風が見事に合わさった曲だ。サウンド面はもちろん言うまでもなく、リリックも“Kevin Parker”節が効いておりアルバムへの期待を否応にも高めてくれる。

「向き合うときが来たみたいだ」

曲タイトルの“It Might Be Time”は、実際の歌詞では”It Might Be Time To Face It”と続いていく。日本語でいうと「向き合う時が来たみたいだ」というような意味になる。

本曲では「諸行無常」的な価値観が歌われている。「時は過ぎて、僕らは変わってしまった。その事実に向き合う時が来たみたいだ。」といったような感じで。

Always saying “Nothing lasts forever”

「いつもいうんだ、変わらないものはないって」

It ain’t as fun as it used to be.

「昔みたいに面白くはないんだ」

You ain’t as young as you used to be.

「お前は昔みたいに若くはないんだ」

You ain’t as cool as you used to be.

「お前は昔みたいにクールじゃないんだ」

こういった「時の流れによって変わってしまうこと」や「時間が過ぎていくことには抗えないこと」に対して向き合う時が来たみたいだと歌っているというわけだ。2019年のコーチェラではヘッドライナーとしてライブを行い、現代のサイケデリックロックバンドでは一番の評価を受ける彼も33歳を迎え、時の経過を感じる部分もあるのかなと邪推してしまう。

前作のアルバム“Currents”には“Yes, I’m Changing”という曲が収録されている。この曲も「時の流れ」を歌った曲だ。今でこそ世界的な人気を誇るバンドであるが、Kevin Parker自身が作る世界は非常に内省的なものだと僕は思う。

【Words From Indies】 Tame Impala “Yes, I’m Changing”

もちろん時が過ぎていくことは「時を失うこと」だけを意味するのではない。同時に「時の価値」をくっきりと認識できるようになる。

曲の最後ではKevinはこのように締めくくる。

You may as well embrace it

「(向き合うと)同時に時間を大事にしないといけないんだ」

アルバム全体でも「時間の流れ」をテーマに曲を書いているとNew York Timesのインタビューで明かしている。“It Might Be Time”はもちろん、そのほかの曲もじっくり歌詞に向き合う価値のあるアルバムとなりそうだ。

サイケロック・ポップの枠に止まらないTame Impalaとしてのサイケデリア

サウンド面でも進化を遂げている。1stアルバム“Inner Speaker”で見せたサイケデリックロックを思わせるギターサウンドを盛り込みながらも、前作“Currents”のスタジアムロック的な壮大なメロディーや多様なサウドエフェクトが、絶妙なバランスで仕上げられたサウンドに思える。

サビ前のシンセサイザー以外の音が消えてサビに切り替わる瞬間はとてもワクワクする。サビに差し掛かるまでは非常に静的で、フィルターがかかった穏やかなシンセサイザーと丸みのあるベースが曲を作り上げている。しかしサビ前のシンセサイザーには強さを感じることができる。Aメロ、Bメロとサビを意図的にぶった切っているように思えるし、リスナーにとって起伏のある印象を抱かせるだろう。

サビ後は歪んだギターのような音と、力強いボーカルデリバリーがたまらない。さらに長めのブレイクを挟む部分が数カ所あるが、最初聞いた時には「あれ?もう終わりかな?」と思わせられた。非常にいいアクセントになっていると感じたし、ライブでこの曲を聞くのが楽しみでならない。

とにかくリリースされた“It Might Be Time“はニューアルバム”The Slow Rush”に対する期待をゴリゴリに高めてくれる。来日ツアーもあったらいいね。

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