【Music Heads Vol.8】EDMとジャズとファンク。「ジャンルの坩堝」なバンド、KNOWER(ノウワー)

こんにちは、Sleepyhead(@SleepyHead_blog)です。

僕がイケてるバンドをご紹介していくシリーズ、Music Heads第8回目。

今回は一言で言い表せないぐらい複雑でごちゃまぜ感のあるアメリカはLAのバンド、KNOWER(ノウワー)について。

KNOWER(ノウワー)

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ドラムを担当するLouis Cole(ルイス・コール)ヴォーカルであるGenevieve Artadi(ジェネヴィェーヴ・アルターディ)の2人を中心に活動しているバンド、それがKNOWER。

まずはこの“Overtime”を聴いてほしい。メンバーの家の廊下で撮影された、なんとも80年代から90年代のレトロゲームのような演出が面白いMV。

YouTubeのコメント欄では「ベースソロがないと思ったら、全編ベースソロだった」とある。ベースに限らず、メンバー全員のテクニックがめちゃくちゃ高い。

ちなみにこのOvertimeは元々ジャネット・ジャクソン(あのポップスター、マイケル・ジャクソンの妹)に提供予定だったものの、採用されなった曲らしい。

このKNOWER、「ジャンルを言い表すのがこんなに難しいバンドはないのでは?」というぐらい様々なジャンルから貪欲にそのニュアンスを吸収している。

ゴリゴリのシンセサイザーや、聴く人を踊らせるリズミカルなEDM的エレクトロサウンドはSkrillex(スクリレックス)から最も影響を受けているとインタビューでも語っている。

また、EDMの反対側にあると言っても過言ではないジャズのテイストはMiles Daviz(マイルズ・デーヴィス)から、ファンクならJames Brown(ジェームス・ブラウン)のファンでもある。

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聴いていただければ僕がいう意味もなんとなくわかってもらえると思う。

このような多種多様な影響を、鍋に突っ込んで煮込んだ結果出てきた闇鍋みたいな音楽がKNOWERなのである。

もっとファッキンクレイジーにしてくれ

バンド結成のエピソードにKNOWERの良さが凝縮されている。もっとファッキンクレイジーにしてくれ。

Louis: ジェネヴィェーヴと僕がLAでロビー・マーシャルのライブバンドに参加して、そこで仲良くなったんだ。そこで彼女の曲に参加してみないかと誘われて面白いことをやろうということになって。
ドラムとかベースを入れまくったんだけど、それが結構弱っちい音になってしまったから彼女に「もっとファッキンクレイジーにしてくれ」と頼まれたんだ。その時初めて僕は「なんだそんなフルパワーでやっていいのか!」って思ってそれ以来ずっと彼女とフルパワーでヘヴィでファンキーなことをやっているよ。

KNOWER来日スペシャルインタビュー【LA発超絶エレクトロ×ジャズファンク】 | Playatunerより引用

そう、とにかく「ファッキンクレイジー」なのである。ちょっとやりすぎなんじゃない?というぐらい音を詰め込んだり、いろんな音を混ぜこぜにしている。

上でもあるように、多種多様なジャンルから貪欲にテイストを取り込んだ結果、他に見当たらない音楽を鳴らすバンドに進化している。

普通のバンドなら、ここまでのカオスからまとまりのある音楽は生まれない。

しかも「どのジャンルにも属さない」音楽は、それぞれのジャンルに付く人たちから批判されがち。

君らは片手間にジャズのテイストを取り込んでいる。我々の音楽を冒涜している」みたいな。

ララランドでも、「本物のジャズ」を追求するライアン・ゴスリング演じる主人公のセブが、メジャーデビューする「ジャズもどき」のバンドに参加するとき、こんな反応だった。

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しかし、中田ヤスタカの音が一発で「中田ヤスタカが作った曲だ!」となるように、KNOWERが作る曲も、そのカオスのおかげで、聴くとその強烈なオリジナリティーの匂いを嗅ぎ分けることができる。

そのオリジナリティーを無理やり言葉にするなら

「跳ねるようなリズムのベース」

「キャッチーなシンセのメロディー」

「単純なEDMに落ち着かないルイス・コールの生ドラム」

の組み合わせが唯一無二の音を構成している、言えると思う。

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混ぜない方が違和感がある

あぁなるほど、となったのがこちらの引用部分。

Genevieve: 私からすると全部混ぜないほうが違和感があるんだよね。人間って色々な側面があるのに音楽(特にマーケティングされた音楽)を作るとなると何故か皆一つのものに留まらないといけないって考えちゃうの。私は人間が一つの側面しかないとは絶対思わないし、私自身も色々な気持ちがあるし。

Louis: そうだよな。人生は難解でクレイジーだからこそそういう色々なレイヤーの気持ちと繋げてくれるような音楽が好きなんだ。そしてそういう音楽をつくりたい。

わかりやすいレッテル貼りは、音楽を知らない人にとってはそのアーティストを理解する時に役立つ。しかし、KNOWERにとってマーケティングありきの音楽である必要はないのである。むしろ簡単にレッテル貼りができない音楽である方が彼らにとって自然だ。

中田ヤスタカが作る音楽のジャンルは「中田ヤスタカ」であり、椎名林檎が作る音楽のジャンルは「椎名林檎」である。彼・彼女らの音楽性は多岐に渡るので単に「ロック」「ジャズ」「ヒップポップ」と言い切れない。

便宜的に、マーケティング面を考えるとKNOWERが作る音楽は「EDM」だ、と言い切れた方が間違いないく音楽を届けられるリーチは広がる。

しかしレッテルを貼って単純化してしまうと、本当の意味で彼らの音楽の後ろに隠れているバックグラウンドは見えてこない。

もし商業面を優先していたら、インターネットを通して築い強いファンベースだってなかったはずだ。

 

最後に

とにかく僕が言いたいのは「KNOWERはファッキンクレイジーだから、聴いたら間違いなく圧倒されるよ」ということ。

そして、このファッキンクレイジーバンドであるKNOWER、今年日本にやって来る。

5/26~27に横浜で開催されるGreenroom Festival 2018に出演が決まっているので、もし参加が決まっている方はぜひこのイかれた才能を見逃さないでほしい。

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MUSIC | GREENROOM FESTIVAL ’18より引用

もちろん単独のツアーも行われるので、そちらに行くのも良い。僕は絶対いく。

www.universal-music.co.jp

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KNOWERが持っているファンク感が好きならVuflpeckを聴いてみることをオススメする。ルイス・コールはVulfpeckとコラボしてドラムを叩いていたこともある。

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