今年で結成20周年。ストレイテナーは日本で最強のロックバンドだ。

ストレイテナーというバンドを知っている日本のロックファンは多いだろう。

ホリエアツシ(Gt/Vo)ナカヤマシンペイ(Dr)日向秀和(Ba)大山純(Gt)からなる日本を代表するロックバンドである。

国内の音楽フェスでもヘッドライナーを務めることも多く、ファンベースは強固なものだ。先日リリースされた“Future is Now”はアプリゲームの「デジモンリアライズ」の主題歌として起用されていることもあり、ますます知名度は上がっている。

EDMっぽい打ち込みのようなドラムと、キャッチーでストレートなメロディ。また新しい領域にチャレンジしたんだな、と聴いてみて驚いた。

www.youtube.com
 

僕はかれこれ15年ぐらいストレイテナーを聴き続けている。バンドミュージックとの出会いもストレイテナー。中学生の頃、スペースシャワーTVで流れるミュージックビデオを見て感動した。当時の僕は楽器も何もわからなかったけど、こんなかっこいいバンドがいるのかと。

関連記事

ただただ人生で聴いてきた大好きな音楽を振り返ってみました。

そして今年2018年は、ストレイテナー結成20周年メジャーデビュー15周年の節目の年。振り返れば、2ピースバンドから始まり、メジャーデビュー間も無く日向秀和が加入、10周年のタイミングで大山順が加わることとなる。

「変わり続けるからこそ、変わらずに生きてきた」とカナダ出身のレジェンドのミュージシャン、ニールヤングは言った。ストレイテナーはメンバーを増やしたり、アルバムごとに音楽のスタイルを少しずつ変えながら、それでも変わらずにストレイテナーであり続けている。

今一度ストレイテナーを振り返り、その魅力を思いっきりお伝えしたい。多分長くなるし、細かすぎてよくわからないと思われるかもしれない。でも、もはやストレイテナーは「語られるべきバンド」だ。

2人時代

最近ストレイテナーを聴き始めた方はうっすら知っているかどうか、というところだろう。もともと、ストレイテナーはホリエアツシとナカヤマシンペイの2ピースバンドだった。長崎出身の2人は中学生の同級生で、そのまま上京しバンドを始めている。

www.youtube.com
 

“ROCK STEADY”はストレイテナー初期の名曲。PVを見てもらえればわかるが、よく2人でここまで客を沸かすことができるな、と毎回思う。初期の魅力は「勢い」。まさに初期衝動の塊のギターロックで、その熱気と勢いの良い曲調で聴く人を踊らせるタイプのバンドだった。

www.youtube.com
 

この“A SONG RUNS THROUGH WORLD”はメジャーデビュー後初のアルバムである“Lost World Anthology”のリード曲。実はサポートで日向秀和がベースを演奏しているのだが、正式加入はこのあとのこと。どストレートなギターかき鳴らし系のロック。当たり前だが、今のストレイテナーと比べると非常に荒削りなサウンドだ。しかしこのシンプルなギターサウンドがたまに懐かしくなる。

ちなみに2人時代のインディーズベストアルバムはApple Musicで聞くことができる。

個人的なおすすめは“Unicorn”“The Meaning”あたりだろうか。“Yes,Sir”はいわゆるロッケンロールなギターがかっこいい。3人になってからもよくライブの定番曲で、みんながモッシュして盛り上がるような曲だ。

21曲目の“Mount”はあまりにダサすぎていつも笑ってしまう。ダサいリフにラップみたいに、まくし立ててるボーカル。端的に言ってダサい。でも僕はめちゃくちゃ好き。くせになること間違いないのでぜひ聴いてみて欲しい。

 3人時代

2003年にシングル“TRAVELING GARGOYLE”でメジャーデビュー。

www.youtube.com
 

すでにサポートでベースの日向秀和は加入していたが、この翌年に正式加入する。

この3人時代がストレイテナーの歴史の中でも間違いなく「名曲」がばちばち生まれた期間である。

例えば2006年リリースのアルバム“DEAR DEADMAN”に収録された“DISCOGRAPHY”は今でも最高の名曲である。エレクトロな打ち込みと、バンドサウンドのバランスが絶妙。当時あまり見かけなかったダンサブルな打ち込みサウンドがとても印象的。中学高校生のころはライブに行くたび、DISCOGRAPHY待ちだった。

www.youtube.com
 

こちらは2005年リリースのアルバム“TITLE”収録。シンプルなフレーズを繰り返すだけにも関わらず、ベースの存在感が異常な“SAD AND BEAUTIFUL WORLD”も古くならない。ホリエアツシが歌う詩的で映画のような世界観の歌詞も良い。

www.youtube.com
 

3人時代で明らかな方向性の転換を感じられたのは2007年リリースのアルバム“LINEAR”である。

ピアノサウンドや打ち込みを多用し、ガチガチのライブバンドだったストレイテナーが「ライブでどうやって再現するんだ?」とファンが疑問を持ったアルバム。僕の記憶では評価もぱっくり割れた。好き嫌いがはっきりするアルバムだった。

www.youtube.com
 

そんな心配は無用で、ライブ映えしまくりのキャリアの中でも最高のライブツアーだった。同じツアー中で3回もライブを見に行くことなんてもう一生ないと思う。

2人時代からの一番の変化を与えたのはベースの日向秀和。ストレイテナー加入前はART-SCHOOLZAZEN BOYSでもベースを弾いていた。それだけで只者ではない奮起を感じる人も多いと思う。

もはやベースかどうかわからないぐらい目立つトリッキーなプレー。R&Bやヒップホップにルーツを感じさせるベースが最高にかっこいい。もはや日向秀和は歌わないフロントマンだった。本来注目を集めるギターボーカルのホリエアツシより目立っていたのだから。

ちなみに僕は日向秀和に憧れてベースを弾き始めることになる。彼のプレーは間違いないく日本で一番だ。

当時のLINEARのツアーはこちらのDVDで観ることができる。僕は何回見たか思い出せないぐらい観た。なんなら今でもたまに観る。ぜひ3人時代の熱量を確かめてみて欲しい。

4人時代

LINEAR をリリースしたのち、ミニアルバムの“Immortal”を2007年にリリース。

翌年2008年、急遽ギターとして大山順の加入が発表された。配信限定で” BLACK HOLE“をリリース。僕は当時高校生だったが、お昼休みに大山順加入のニュースを聞いて死ぬほど驚き、その5秒後にはシングルをダウンロードしたのを覚えている。

www.youtube.com
 

メンバーが増えると「できる音楽の幅が広がっていいじゃん」と単純に考えてしまうかもしれない。でも既存の3人で演奏する曲に、新しいメンバーとしてメロディなりギターソロなりで「居場所」を作り出すことは容易ではない。

しかし新規メンバーである大山純は、まるでもともとそこにいたかのようにすんなり馴染んでしまった。ホリエアツシもインタビューでこのように語っている。

4人になったのは、4枚目のアルバムで3人の形には縛られない楽曲を作りはじめて、ライブで僕がピアノを弾く曲が増えたり、再現力に悩んだりしていたときで、「4ピースになるとして、入るとしたら誰なんだろう?」って考えたときに「純がいるな」と思って(笑)。その時もマイナスになるイメージは全く出来なくて、単純に前を向いてやってきた結果、気付いたら2人から3人になって、3人から4人になっていたっていう。

http://www.billboard-japan.com/special/detail/1440

ストレイテナーの進化に伴って必要となったポジションに、大山純がぴったりハマったのだった。

例えば先ほど紹介した3人時代の楽曲である“SAD AND BEAUTIFUL WORLD”を4人で演奏したヴァージョンがこちら。アレンジが効いていて4人になったことで、原曲の雰囲気を保ちながら、曲自体をスケールアップさせている。

www.youtube.com
 

もちろん4人になってからのリリース曲も素晴らしい。個人的に大好きな“Man-Like Creatures”は完全に日本の音楽を超えてしまった。打ち込みみたいなリズムに、アコースティックギター、平坦でストイックなベース、まるで日本のレディオヘッドのよう

www.youtube.com
 

かと思えば“YOU AND I”という夕焼けっぽいエモい曲も。ストロークスのオマージュっぽいMVも魅力。

www.youtube.com
 

最近のリリースだと“BLACK DYED”もレッチリみたいなスラップでファンキー。

www.youtube.com
 

そして“シーグラス”はストレートなロックナンバー。

年々ストレイテナーは真っ直ぐに、ストレートなロックバンドに進化しているな、という印象をもつ。

今年最後の海に向かう

夕焼けが白いシャツを染める

2つの長い影を残して

夏が終わりを急いでいる

こんな典型的な「夏の曲」ぽい歌詞なんて今まで絶対書かなかった。ストレートな表現を恐れないバンドとしての姿勢がますます見えてくる。

ファンベースが拡大して、日本における「大物バンド」の仲間入りをしたのだな・・・と感慨深い。

www.youtube.com
 

明らかに4人になって楽曲の幅が広がっている。3人ではできなかったことが、1人が自然な形でバンドに加入することで可能となった。

メンバーを一人増やすという選択肢はプロのミュージシャンにとって簡単なことでなない、と想像できる。しかし「変化」を求めたタイミングで、それぞれ必要なメンバーを加入させて、バンドを進めるべき方向にきっちり向けて行った。

「変わり続けるからこそ、変わらずに生きてきた」という名言は、やはりストレイテナーにぴったり当てはまる。

きっとこれからも進化を続けるストレイテナー、最近の曲しか知らないファンも、昔から聴き続けて来たベテランも、結成20周年のタイミングで一度振り返ってみてはどうだろうか。

今回紹介した曲と、個人的にオススメした曲を詰めたプレイリストも作成したので、よければこちらからでも聴いてみて欲しい。どれも最高にかっこいい曲ばかりだ。